チョコレートプリンス*きみだけをずっと*
先生は早口で話をしながら、ガンっ!バンっ!と音を立てながら教卓の上に使う道具を置いていく。
「いいですかー!僕のように失敗したくなければそれなりの念じる集中力と想像力が必要ですよ~!
自分の魔法力のせいには決してしないように!」
先生はふぅ~と息を軽く吐くと、陽気な感じからうって変わって真面目な表情に変わった。
そして先生は簡単なチョコチップのプレーンカップケーキを作り始めた。
薄力粉、砂糖、ベーキングパウダーなどを計ったり、卵やバターを手際よく順番に入れて作っていく。
外から見たらただのカップケーキを作ってるようにしか見えないけれど
先生の真剣な表情は変わらないからきっと何かの味を念じて、想像して作ってるんだと思う。
それを二セット繰り返して同じカップケーキを作った先生。
でもさっきと比べて、口にはしないけれど適当に作ってる感じがする。
なぜならよそ見をしながらにこにこしたり、生徒に話しかけたりしてるから。
そして、カップの中にそれぞれ生地を入れると先生はポケットから杖を取りだし
「“フェール ベティーズ”」
と呪文を唱えた。
そして先生は何事もなく、杖を締まってオーブンにカップケーキを入れてできあがりをみんなで待ったんだ。