チョコレートプリンス*きみだけをずっと*
そんな考え事をしているうちにあっという間に扉の前まで来てしまった。
扉の前には一番最初の時に会った大きくて無表情なあの門番さんもいて。
悪いことしてないのに今日もなんだか怖い顔をしている。
「未桜ちゃん、向こうの世界でも元気でね!私、絶対に未桜ちゃんのこと忘れないから!
一緒に授業受けれて本当に良かった」
「俺も。一番最初の実習、今でもすごい印象に残ってる。
翔斗の悪態に負けずに特訓頑張ったのは未桜ちゃんだけだよ。
また一緒にボンボンショコラを作れる日がくるといいな。元気でな!」
あたしはコクンコクンと頷くのがいっぱいいっぱいで、泣かないように必死だった。
「また泣く、最後は泣かないって決めたんだろ。
そんな一生の別れみたいな顔すんなよ。
笑顔で帰れ、いいな?」