チョコレートプリンス*きみだけをずっと*
そういえばあのケーキは尚くんに向こうに連れてかれて、知らない人に目をつけられて走ったりして悲惨になっちゃって……
その後も、人間界に繋がる扉に向かって翔斗と走ったし。
でもそれを翔斗が綺麗なケーキに仕上げてくれて、苺子ちゃんと尚くんと翔斗とルイくんで
「……食べちゃった?」
あっ!やばい!無意識に言っちゃった。
どうしよう!これじゃあ忘れちゃったって言ったのが嘘になっちゃう。
「なーにが食べちゃっただ!おい、それは美味しかったのかー!答えろー!」
「やめてー!」
川崎くんはあたしの目の前に座っていたこともあって、手を伸ばしてあたしの髪をぐしゃぐしゃにしてきた。
ーガチャン!
テーブルに強く置いた衝動でトレーに載ったお皿やカップがぶつかる音がした。