チョコレートプリンス*きみだけをずっと*




ちょっと心配だけど、あたしはとりあえず着替えようと思って部屋のドアを閉めた。



クローゼット、チェストの引き出しを開けたり、本棚を確認すると自分が配置したどおりのものが入っていて本当に自分の部屋なんだってようやく実感する。



ただ、こんな何もかも一緒になのに窓の位置だけは違う。



ーガチャ



「やっぱり…違うよね」



窓からみた景色は隣の家ではなく、オレンジ色の夕焼けの世界だった。



雪が太陽に当たってキラキラしていて、木々は雪を被っている。



よく見ると雪の上には小さな動物の足跡もある。



「はやく帰りたいな…」



あたしは窓をゆっくり閉めた。



< 34 / 247 >

この作品をシェア

pagetop