チョコレートプリンス*きみだけをずっと*
言葉にすると、どんどん切なくなってきて、翔斗の前では我慢していた涙も溢れてくる。
みんな、あたしのこと心配してるかな?
しばらく帰れないから、そのうちあたしのこと忘れちゃったりしないかな?
「……っ」
こんな何も分からない魔法が使える世界で、あたしは本当にやっていけるの?
……そんなの無理に決まってる。
魔法以外に使えるものもあたしは何もないんだから。
どんどん後ろ向きにしか考えられない。
これから何が起こるのか、明日もあたしはこうやって生きていられるのかそんなことも分からない。
床にぽたぽたと落ちていく涙。
あたしは布団を抱えて、必死に声を押し殺して泣き続けた。