チョコレートプリンス*きみだけをずっと*
「……本当に寝てる」
布団を両手に抱えたまま眠ってる未桜の姿が一番最初に視界に入ってきた。
起こさないように足を立てないで近づくと、スースーと寝息は立てているが目が腫れていて、泣いた跡もついていた。
気付いてあげられたら良かったな……。
本当だったら、今はきっといつもパティスリーに来てたやつらと楽しくパーティーをやっていたんだろうに。
でも、誰かの仕業なのか、間違ってきたのか知らないけど帰れなくなってしまったのは事実。
そりゃ泣きたくもなるよな。
俺はそーっと手を伸ばし未桜の髪をさわった。
「大丈夫、何があっても未桜のことは守ってみせるから」
俺は未桜をベッドに寝かせてあげると、音を立てないように気を付けながらドアを閉めた。