チョコレートプリンス*きみだけをずっと*



どのテーブルを見ても紙一枚見つからない。



でもこの時間は棒立ちしてるわけにもいかないし。



目の前で無心になって作っている翔斗。



申し訳ないと思いながらも、あたしはそっと声をかけてみた。




「翔斗?ここにあるチョコレートって使っていいの?」



「…………」



彼は全然顔を上げてくれないし、何も反応してくれない。



「ね、ねー翔斗?」



「…………」



もう1度呼んでみるけど、翔斗は作業を続けたまま。



なんでだろ、聞こえてないわけないよね?



これじゃあ、あたし本当に何もできないよ。



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