チョコレートプリンス*きみだけをずっと*



未桜に何もできないからな



あの言葉って……。



「一応何か言ってた?だから終わるまでは何かあったらいつでも俺に言って?」



それからと言って、調理台に用意されてるのも、準備室にある材料も道具も全部使っていいんだよと教えてくれた。



「ありがとう」



そういうことだったんだ。



あたしは翔斗の方に視線を向けた。彼は本当に周りから何も見えなくなってるようにみえる。



手際よく作業をハイペースでこなしていて。



そう言えばあのケーキ屋でもガラス越しで作業をしてる姿は何度か見たことあったけど



女の子がいくらキャーキャー言ってても、スマホで写真を撮っていても反応することはなかった気がする。



ようやく謎が解けたあたしは目の前にあったミルクチョコレートに手を出した。



今日はボンボンショコラって言うのが作れなくてもバレンタインでチョコレートは作ったことがあるんだもん、何か作ってみよう。



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