チョコレートプリンス*きみだけをずっと*
「何やってんだよ!」
ぴしゃりと横から翔斗に大きな声を出された。
すると彼はあたしの方に来た。
「チョコレートを……溶かそうとしたら熱くて…」
ぽつりぽつり理由を話すと、翔斗の眉間にどんどん皺が寄っていく。
「あんた、チョコレートも作ったことないのかよ。
もう今日は何もするな」
「でも……」
そう言葉に出してみるけど、彼からの冷たい視線が降り注いでそれ以上何も言うことができなかった。
「まぁまぁ、そんなカリカリするなって。未桜ちゃんだって自分なりに一生懸命作ろうとしてただけなんだから。ねっ?」
と翔斗のことを宥めてくれていた尚くんがあたしの方を向いてにこっと笑った。
その表情は"もう大丈夫だよ"って言ってくれるような気がしてとても優しかった。