チョコレートプリンス*きみだけをずっと*



「未桜ちゃん、大丈夫?手、火傷してない?」



苺子ちゃんはパタパタと走ってきてあたしに保冷剤をくれた。



ルイくんはあたしの手を取ってボールを触った部分を見てくれて……。



「大丈夫、ありがとね」



「見た感じ大丈夫そうだけど、痛くなったらすぐに翔斗に言った方がいいよ。すぐにアイツなら治してくれるから」



「…うん、分かった」



横からは翔斗の「はぁ……」という呆れたため息が聞こえてきた。



そして「未桜」とあたしの名前を呼ぶと、おでこをツンと突いて



「チョコレートの湯煎は50℃から55℃。沸騰したお湯でなんか二度とやるな」



そう言ってからまた作業に戻っていった。



< 70 / 247 >

この作品をシェア

pagetop