チョコレートプリンス*きみだけをずっと*
「ごめんなさい!本当は何にも分からずに作ったから、あれも実は失敗だと思ってて……」
もう何言われるか怖すぎて、彼の顔が見れない。
ずっと寮にいろって言われちゃったら……。
「なになに~?」とどうやら手が空いたルイくんがあたしたちの調理台に来ちゃったし。
「んなこと分かってるよ。白状しないで白切ってるのが気に食わねぇから言わせただけだし。
じゃあ、なんでチョコレートに生クリームを加えようとした?
俺がチョコレートの湯煎温度は50℃~60℃って言った後で、よくまた沸騰させる勇気があったな」
やっぱりバレバレだよね。チョコレートの湯煎温度も知らないド素人だもん、そりゃ分かるよね。
ここまで来たら全部素直に答えるしかない。
意を決してあたしはぽつりぽつりと話始めた。