チョコレートプリンス*きみだけをずっと*
だって、こんなお菓子作りド素人のあたしだよ?
いくらこの学年で首席の彼があたしを選んでくれたとしても、必ずしも役に立てるとは限らない。
正直言って本当に断りたい。翔斗に守ってもらわなくても、ここの世界で生きていけるかって言えばそんな自信も更々ないけど……
もし何かを目指してやっているのだとしたら……。
「別にそこまであんたに何か期待してるわけじゃない。
俺がチョコレートの湯煎温度も分からないヤツにするわけないだろ」
「…………」
翔斗の言葉……いちいち自分の心にグサグサ刺さるよ。
本人も本人で嫌味で言ってるのか、あたしの頑なな考えを和らげようとしてくれようとしてるのかどっちだか分からない。