2択に1つの恋愛

「おはよ」


「おはよう、加奈」


「どもっす」


教室に着くと、また加奈の方が先についていた。

・・・しかし、昨日よりも少し、顔が曇っている。


「どしたの?」


「ん・・・ちょっと、春くんと話していい?」


「春? いんじゃない?」


「ああ。何?」


「ちょっと・・・」


教室の隅に春を連れて行った加奈は、何か耳に囁く。

すると春は、少しだけ身をこわばらせたように見えた。

しかし、すぐに笑って加奈に何か言うと、こちらに戻ってこようとする。

加奈はそれを引き留める。

春はまた何か言うと、加奈もあきらめたように一緒に戻ってくる。


二人が何を話したのかすごく気になるけれど、絶対に聞いちゃダメ。


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