2択に1つの恋愛
「マルタン、お前は早く席に着け」
「はい」
彼は優しく微笑むと、1つだけ空いている席に座った。
同い年だとは思わなかった・・・
私は思わず前の席にいる彼の後ろ姿を見つめてしまう。
・・・ふと、彼は後ろを振り向いた。
私は彼とばっちり目が合ってしまい、思わず目をそらそうとしたが・・・
「・・・・・・」
彼はにっこり笑って小さく手を振ってくる。
私の事を覚えてくれていたんだなあと、少しうれしくなって手をふり返してしまう。
だが、なんとなく嫌な気配を感じたのですぐにやめた。
ちらりと周りを見ると、女子たちが私の事を睨んでいた。
・・・女の嫉妬ってコワいねえ・・・