2択に1つの恋愛

「あ・・・」


・・・外国人だというのが一目で分かった。

それと同時に・・・


こんなイケメンがこの世に存在するんだなあ、と実感した。


「カラオケ初めてなんですか?」


「え、いやー・・・ジュースを持ってこさせるの友達に任せちゃったんで」


「そうですか。このジュース僕も気に入っているんですよ。オススメ♪」


「はあ・・・」


やっぱり外国人で男性って、結構知らない人相手でも話すんだなー・・・とか思いつつも、彼の手のひらを見て口を開く。


「あなたもお代わりですか」


「はい。カラオケはたまにしか来ないんですが、毎回1杯はこのジューズ飲みますね(笑)」


わー・・・爽やか笑顔。


アイドルにもなれそうだと思うような綺麗な顔立ち。

流ちょうな日本語。

親しみやすい明るさ。


・・・かっこいいな~・・・


「・・・どうかしました?」


「えっ? あ、いいえ!」


やばーい~。みっとれってた~・・・


・・・でも、こんなにかっこいいなら日本でも彼女いそうだな~・・・


「きょ、今日は誰と?」


「友達です。あなたは?」


「友達です。3人で来たんです」


「僕もですよ。3人だと割と話しやすいですからね」


「へぇ・・・」


3人ってことは、彼女とは来てないのかな?

・・・ラッキー。


「でも、こうしておいしいジューズを見つけられたし、今日は来てよかったな~・・・なんて」


貴方にあえてラッキー、なんて。


「僕もですよ。こんなところで好みの女の子に会えるなんて」


「はぁ・・・え?」


思わず耳を疑った。


好みの女の子?

それって口説いてるの?

それとも日常茶飯事?


思わず心拍数が上がってしまう。

顔が赤くなってるかもしれないから、彼の顔を見て話すのはやめた。


「え、えっと・・・好みの女の子って?」


「昔好きになった子です。彼女とは1度会っただけなんですけれど、なんだかとても可愛らしく見えて・・・」


「へぇ・・・」


今も好きなのかな?


彼の事が少し気になり始めていた私には、少しショックだった。

でも、似てるって言われたし・・・


「あ、あの!」


「はい?」


「メルアドとか交換してくれませんか? えっと・・・もっと仲良くしてみたいなって・・・」


「ああ・・・」


・・・・・・


・・・ちょっとおこがましい?

でもいいや。

こんなイケメンめったに会えないんだし。


「いいですよ」


「ほ、ホントですか!?」


内心でガッツポーズをしながら急いでスマホを取り出し、メルアド交換をする。ケー番も。


「あ、有難う御座いました!」


「こちらこそ。あ、名前はなんていうんですか?」


「藤森美空です!」


「みくさん・・・覚えておきます。僕の名前は・・・あ、えっと。見てわかる通り僕は純粋なフランス人で・・・」


フランス人・・・

ヨーロピアン!!


「レオ。レオ=マルタンと言います。レオって呼んでください」


「はい!」


「それじゃ、カラオケ楽しみましょうね」


そう言って手を振りながら部屋に戻っていく。

私はレオの後ろ姿が見えなくなるまで、ずっと見つめていた。


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