キミとまた逢える日まで
走れ、走れ!


森谷くんに伝えなきゃ。


今すぐキミに「大好きっ!」って伝えたい。


「森谷くん!!」


屋上で彼を見つけた。


「おう、一ノ瀬。んな息切らしてどうした?」


「あのね…森谷くん。
私…森谷くんが大好きです!!付き合ってください!」


森谷くんは一瞬目を見開いてその後、悲しそうに微笑んだ。


「ありがとな。こんな俺を好きになってくれて。でもごめん。瑠花の想いに応えることは出来ない」


「そ…そうだよね…。ごめんねっ!」


顔がひきつる。うまく笑えない。


我慢できず、屋上の出口に向かおうとした瞬間
森谷くんが信じられないようなことを言った。




















「俺、癌なんだ」


え…?何言ってるの…?


「なに…言ってるの…?冗談やめてよ…。」


「ははっ、冗談じゃねーよ。マジなんだ」


「そ…んな…」


「高一の冬、いきなり余命半年って言われてさ。俺は、三年にあがれねぇ。もうすぐいなくなっちまう。辛いだけだから、友達なんか作らずに悪さばっかした。それで苦しさを紛らわそうとした。俺だってほんとは、瑠花が好きだよ…。だけど、俺はあと3ヵ月しか生きれねぇ、こんな俺がそばにいても瑠花が辛いだけだ。だから、もっといい男見つけて幸せになれよ。
…いきなりこんなこと言ったり瑠花って呼んだり、俺ずりぃよな、ごめん」


私は森谷くんに抱きついた。


「なにそれっ…!?なにが『もっといい俺見つけて幸せになれよ』よ!!ぶさけないでっ!
私にとって大好きでいい男なんて森谷くんだけだよっ…!私が辛いだけなんてそんなこと私が決める!私は森谷くんのそばにいたい…」


「…んだよそれ…。瑠花のこと諦めらんなくなるじゃねーか…。
…瑠花、好きだ。俺のそばにいてくれ」


「はいっ…!」
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