Secret Planetarium
「怖かったんだろ?」
先生は優しい目をしていた。

「…うん。」
私は小さく頷く。

先生は手を差し出してくる。

「手…繋ごう。」


怖かった。
でも今頼れる人は先生しかいなかった。

「…うん。」
私も手を差し出した。


「手繋いだことは学校には内緒だからな。
女子生徒に手出したとか思われたら俺クビだから。」

先生は苦笑いした。
先生の手は温もりがあって温かかった。
私はいつの間にか安心していた。



私たちは遅刻した。
先生が「痴漢捕まえられなかった責任」とかで学年主任に怒られてくれた。



この時私は先生に「恋」はしていたかもしれない。
これが「愛」に変わることなんて絶対ないと思ってた。

ただただ思いを押し殺した。
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