友達の好きな人を好きになりまして
1.応援します!
「私、実は2組の高野が好きなんだ...。だから応援してほしいの!」
美咲の必死な顔が目の前に飛び込んできた。私は驚きで鉛筆を動かす手を止める。
「えっ...!?」
「だって優、高野とおんなじクラスでしょ! だから情報収集とか手伝ってほしいの」
「情報収集って...?」
「誕生日とか好きな食べ物とか、とにかく何でもいいから知りたいの!」
真っ赤に染まった頬が恥ずかしそうにうつむいた。でも恋する瞳は綺麗でつい、見とれそうになる。普段、部活では常に元気な美咲の意外な表情に私は心臓を強く揺さぶられた。
(こんなふうに誰かを好きになれるなんていいなあ...)
とても羨ましかった。それと同時にふつふつと応援してあげたい気持ちが沸き上がって来る。私は手にしていた鉛筆とスケッチブックを机に置くと、勢いをつけて立ち上がった。
「うん! 私、協力するよ!」
「ほ、本当に!?」
「もちろん! だって私たち小学校からの友達じゃん!」
美咲が笑顔を浮かべて私の手を握りしめる。その気持ちに答えられるよう、私も強く握り返した。
夏の風邪が窓から入ってきて頬を撫でる。キラキラした恋の思いが当たり一面に弾けているように感じた。
「でさあ、美咲。その聞きづらいことが有るんだけど......」
「うん、なに?」
「......美咲の好きな高野って誰だっけ?」
「ちょっと同じクラスでしょ!?」
「仕方ないじゃん、まだ入学して数ヶ月しかたってないんだから。それに私名前覚えるの苦手だし......」
「まあ、これから分かるわよ!」
「うん!」
中学一年の夏、私のまだ知らない恋が密かに幕を開けた。
美咲の必死な顔が目の前に飛び込んできた。私は驚きで鉛筆を動かす手を止める。
「えっ...!?」
「だって優、高野とおんなじクラスでしょ! だから情報収集とか手伝ってほしいの」
「情報収集って...?」
「誕生日とか好きな食べ物とか、とにかく何でもいいから知りたいの!」
真っ赤に染まった頬が恥ずかしそうにうつむいた。でも恋する瞳は綺麗でつい、見とれそうになる。普段、部活では常に元気な美咲の意外な表情に私は心臓を強く揺さぶられた。
(こんなふうに誰かを好きになれるなんていいなあ...)
とても羨ましかった。それと同時にふつふつと応援してあげたい気持ちが沸き上がって来る。私は手にしていた鉛筆とスケッチブックを机に置くと、勢いをつけて立ち上がった。
「うん! 私、協力するよ!」
「ほ、本当に!?」
「もちろん! だって私たち小学校からの友達じゃん!」
美咲が笑顔を浮かべて私の手を握りしめる。その気持ちに答えられるよう、私も強く握り返した。
夏の風邪が窓から入ってきて頬を撫でる。キラキラした恋の思いが当たり一面に弾けているように感じた。
「でさあ、美咲。その聞きづらいことが有るんだけど......」
「うん、なに?」
「......美咲の好きな高野って誰だっけ?」
「ちょっと同じクラスでしょ!?」
「仕方ないじゃん、まだ入学して数ヶ月しかたってないんだから。それに私名前覚えるの苦手だし......」
「まあ、これから分かるわよ!」
「うん!」
中学一年の夏、私のまだ知らない恋が密かに幕を開けた。