さくら、切なく。
その次の日、学校が休みだったので
私とお母さんは珍しく飼っていた犬を連れて
近所の公園へと散歩に出かけた。
その公園は、小さい頃から遊んでいて、春になると桜が満開になり大勢の人で賑わう大きい公園だった。
中学の時には吹奏楽で演奏もしていた。
とっても思い出深い大好きな公園だ。
私はお母さんと出掛けることがほとんどなかったために、久々に子供の頃みたいにお母さんの前ではしゃいだ。
「お母さんに似たら運動神経あるはずなのになー…咲季、運動神経ないねー(笑)」
とお母さんが微笑む。
これが最後のお母さんの笑顔になるとは思わなかった。