儚き恋は終わらない。
「次、移動教室だし行こっか。」
夢叶を誘って、廊下に出ると
「あっ…」
隣のクラスの寺田 凌 テラダリョウ だ…。
廊下の前で数人と群れている。
その中心に、寺田凌がいて人気者のよう。
私は…何故か、この寺田凌に惹かれる。
つい、いたら見てしまうし気になって仕方が無い。
それに、夢叶が気づいたのか
私の腕を引っ張って、歩き始めた。
と、思いきや寺田凌の前で立ち止まった。
「あ、おはよう。」
寺田凌が私と夢叶に笑って挨拶してきた。
ちなみに、寺田凌とは仲良くはないが…挨拶するくらいの仲ではある。
できるだけ、可愛く可愛く…と思いきかせ「おはよう…!」と挨拶。
すると、寺田凌の周りにいた人らが
「俺達には〜?」と聞いた。
夢叶だけ、「おはよ!じゃ。」と言ってまた歩き出す。
そう、私は寺田凌だけ特別に挨拶したい。
でも明らかな態度をとったことにバレないかとヒヤヒヤする一方で、
夢叶は「やったね!」と言うのだった。