願わくはキミに


はあ、とため息を溢すと後ろから知っている声が聞こえた。


「なに?考えごと?」


「ももかさん…」


今私の回りに飛んでいた黒い感情が一気に吹き飛ばされた気がした。


あのローズマリーの甘い香りで。



「いやちょっと、荒療治は良くないなと思いまして」


「確かにそれは良くないわね」



ももかさんはフフッと声をたてて笑った。



「良かったら一緒にお昼どう?」


「ぜひ!」


私はそう答えると、ももかさんはまたあの綺麗な笑顔で微笑んだ。

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