願わくはキミに



私、横山 遥希は小さい頃から心臓病で病院生活を送っていた。



つんと香るあの独特の匂い。

ピーピーと鳴る機械音。

パタパタと急ぐ足音。


全てが私の一部となっていた。



毎日毎日、


隣の元気だったおばあちゃんが亡くなったとか。


小さい子が移植手術で拒否反応を起こしたとか。


仲の良かった同い年の女の子が退院したとか。



そうゆうのばかりだったけど。


もう慣れた。


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