願わくはキミに


「…もういいや、今年はこれで終わり。」


そう言葉を残しこの場から離れてしまった。

集まった人たちも終わったのかと思ったのか皆いなくなった。

その場に残った彼も、フラフラのまま歩こうとするので私は腕を掴んだ。



「…手当て、しなきゃ」


このままじゃ彼は死んでしまうと思い、病院に連れてこうと腕を引っ張ったがその場から動こうとしなかった。

どんなに引っ張っても、ビクともしない。


そんな彼に一言言おうと口を開いた。


「ちょっと!早くしないと傷に…」


菌が入っちゃう。

そう言おうとしたのに。


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