願わくはキミに
「私酔いやすくてすぐ吐くし、色んな男の人を誘惑だってしちゃいますよ?
それでもいいんですか?!」
ダンッと机に空になったガラスを置くと、シン…とその場は空気が一変した。
やばい。
確実にやばい。
やってしまったとみるみる顔が青ざめていく私をじっと見つめているみんなは、フッと笑いの渦に変わった。
え?
「あははっ!誘惑だって聞いたかよ!」
「確かに誘惑されたら困るしな!」
「吐かれたら森崎が処理しろよー!」
なんてゲラゲラといつまでも笑っているみんなを見て少しほっとする。
怒ってない…
でも、ちょっと笑いすぎじゃない?
森崎先輩はさっきので酔いが覚めたのか「悪かった」と一言言って、飲みかけのビールを自分で飲み干した。