願わくはキミに
「てゆうか聞いてなかったけど、お前名前は?」
森崎先輩にそう聞かれて、さっき追加してくれたウーロン茶を飲もうとした手を止める。
そういえば言ってなかったな。
「ハルキ、です。横山 遥希」
ニッコリ笑ってそう言えば、みんな飲んでいた手を一斉に止めて視線が私に集まった。
___なに、なんなの…
「は、ハルキ…?」
またシン…と空気が一変して、緊張感が漂う。
まさか…
「男っぽい名前だってよく言われるんですけど、れっきとした女、ですからね私」
なんておどけて言っても何も反応がない。
あれ、違った?