願わくはキミに


ガチャン

何かが落ちた音がする方に目を向けると、蓮さんがこっちを見て今にも泣きそうな顔をしていた。


まるでさっきの、ももかさんのように。


___なに、なんなの…
その顔には何が隠れているの?



「お、おい。蓮何やってんだよ…」

「ごめん、つい」



彼はそう言って、割れたガラスの破片を片付けていた。


その後も何だかみんなのテンションがイマイチ上がらなくて、森崎先輩だけが異様に盛り上げていたのが私には見え見えで。


チラッと彼に目を向けると、目の前に置いてあるビールに手をつけていないらしく一人だけ机にうつ伏せをしていた。


___私のせい、だろうか。


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