願わくはキミに


気づいたらもう夜の11時を超えていて、みんな帰るために荷物をまとめた。


家が近い組はまとまって帰るという感じになりたまたま蓮さんと同じになってしまった。


ももかさんもこっち組だったらしいけど、これから用事があるとかで違う道から帰っていった。


こんな夜遅くに用事だなんて、みんな気になってしまうみたいで。


森崎先輩が「男だ男だ」と冷やかすもんだから、みんなそれに乗ってしまって、ももかさんは森崎先輩だけをハイヒールで足の甲を踏み潰していた。


自業自得だよ、森崎先輩…




そして、私たちには無言だけが漂う。


あんな動揺した蓮さんを見たあとに二人きり、なんてもう少しは気を遣って二人にはしない方法でも考えてほしかった。


でもやっぱり、私は喧嘩の怪我が心配で。


思いきって蓮さんの目の前に立った。


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