Butterfly
1.守りたい恋
2月の終わり。外は震えるような寒さの夕暮れ。
紺色のコンパクトカーを運転しながら、蒼佑さんが助手席の私に目を向けた。
「たまには音楽鑑賞もいいね」
優しい笑顔。
いつもながら、この彼の表情に私はほっと心が和んだ。
「うん・・・ごめんね、せっかくの休みなのに。私の用事に付き合わせちゃって」
「全然ー。バイオリンの演奏なんて、生で聞いたの初めてだったし。桜葉女子大のお嬢様たちとも、たくさん触れ合えたしさ」
「そっか」
「・・・あ!いや!千穂ちゃん以外の女の子と、無駄に仲良くしたいわけじゃないんだけど・・・」
私の相槌が素っ気なかったのか、「マズい」と感じたらしい蒼佑さんは、途端にワタワタ慌てだす。
(ふふっ。このくらい、全然気にしないのに)
そんな風に思いながらも、私はあえてつっこみをいれる。
「ほんとに?咲良(さくら)と話してる時、蒼佑さんすっごいデレデレしてたけど」
「い、いや・・・ああいうタイプの女の子って、生まれて初めて話したから・・・。
・・・って、いやいやいや!こんなこと言ったら、また誤解を生みそうだよな・・・」
ハンドルを握ったまま、「あああ・・・」と呟いて頭を抱える蒼佑さん。
私は笑って、「気持ちはわかるよ」と言った。
「咲良は特別だよ。ほんとに・・・かわいいし優しいし。お嬢様すぎてちょっと天然だけどね。
あれでドレス着てバイオリン弾いてるんだもん。もう、かわいさで言ったら最強で完璧。私でも見惚れたよ」
紺色のコンパクトカーを運転しながら、蒼佑さんが助手席の私に目を向けた。
「たまには音楽鑑賞もいいね」
優しい笑顔。
いつもながら、この彼の表情に私はほっと心が和んだ。
「うん・・・ごめんね、せっかくの休みなのに。私の用事に付き合わせちゃって」
「全然ー。バイオリンの演奏なんて、生で聞いたの初めてだったし。桜葉女子大のお嬢様たちとも、たくさん触れ合えたしさ」
「そっか」
「・・・あ!いや!千穂ちゃん以外の女の子と、無駄に仲良くしたいわけじゃないんだけど・・・」
私の相槌が素っ気なかったのか、「マズい」と感じたらしい蒼佑さんは、途端にワタワタ慌てだす。
(ふふっ。このくらい、全然気にしないのに)
そんな風に思いながらも、私はあえてつっこみをいれる。
「ほんとに?咲良(さくら)と話してる時、蒼佑さんすっごいデレデレしてたけど」
「い、いや・・・ああいうタイプの女の子って、生まれて初めて話したから・・・。
・・・って、いやいやいや!こんなこと言ったら、また誤解を生みそうだよな・・・」
ハンドルを握ったまま、「あああ・・・」と呟いて頭を抱える蒼佑さん。
私は笑って、「気持ちはわかるよ」と言った。
「咲良は特別だよ。ほんとに・・・かわいいし優しいし。お嬢様すぎてちょっと天然だけどね。
あれでドレス着てバイオリン弾いてるんだもん。もう、かわいさで言ったら最強で完璧。私でも見惚れたよ」
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