Butterfly
電車を乗り継ぎ、『桜葉女子大』の駅で降りると、制服の女学生に混じって大学までの道を歩いた。
昨日と何も変わらない。その風景が、私の気持ちを少し落ち着かせてくれた。
校門をくぐり、キャンパスの歩道を進んでいくと、白い校舎の入り口がある。
そのガラス戸に差し込んだ光に、一瞬だけ目を細めた後、二階に続く階段をいつものペースで昇っていった。
(・・・いるかな・・・。いつもならもう来てるけど)
約100人を収容できる、一限講義のある教室。
後ろのドアから中へと入り、辺りをキョロキョロ見回した。
(・・・やっぱり、いないか・・・)
探していた咲良の姿は、やはりどこにも見当たらなかった。
事情聴取は、まだ時間がかかると言っていたから、きっと、昨日は警察署に泊まったのだろう。
市谷さんから、咲良への連絡は控えるように言われている。
無実は証明されたけど、元容疑者で友人でもある私が咲良に連絡することは、情報操作などを疑われる危険性があるためだ。
(それにきっと、咲良はそれどころじゃないだろうし・・・)
今は彼女の無実を信じ、待っているしかないと思う。
(思うしか・・・咲良のことは、そう思って信じているしかないけれど)
蒼佑さんには、自分から連絡を入れるべきだと思う。
だけど私は、なかなか勇気が出なかった。
(市谷さんも津島さんも、『大丈夫』って勇気づけてくれたけど・・・)
昨日と何も変わらない。その風景が、私の気持ちを少し落ち着かせてくれた。
校門をくぐり、キャンパスの歩道を進んでいくと、白い校舎の入り口がある。
そのガラス戸に差し込んだ光に、一瞬だけ目を細めた後、二階に続く階段をいつものペースで昇っていった。
(・・・いるかな・・・。いつもならもう来てるけど)
約100人を収容できる、一限講義のある教室。
後ろのドアから中へと入り、辺りをキョロキョロ見回した。
(・・・やっぱり、いないか・・・)
探していた咲良の姿は、やはりどこにも見当たらなかった。
事情聴取は、まだ時間がかかると言っていたから、きっと、昨日は警察署に泊まったのだろう。
市谷さんから、咲良への連絡は控えるように言われている。
無実は証明されたけど、元容疑者で友人でもある私が咲良に連絡することは、情報操作などを疑われる危険性があるためだ。
(それにきっと、咲良はそれどころじゃないだろうし・・・)
今は彼女の無実を信じ、待っているしかないと思う。
(思うしか・・・咲良のことは、そう思って信じているしかないけれど)
蒼佑さんには、自分から連絡を入れるべきだと思う。
だけど私は、なかなか勇気が出なかった。
(市谷さんも津島さんも、『大丈夫』って勇気づけてくれたけど・・・)