Butterfly
(忙しいんだよね・・・。やつれたって言っていたけど、ごはん、ちゃんと食べてるのかな・・・)


そんなことをぼんやり考えていると、玲奈さんがから揚げののった大皿を、座卓の上にどん!と置いた。

「はい、とりあえず昨日の残り物でもつまんでて」


(わー)


食べなくてもわかる。これは絶対おいしいって。

「手伝おうか?」

「ううん。悪いけど龍一と先に食べてて」

玲奈さんの言葉に、里佳さんが頷いた。

するとすぐに三角形のおにぎりが、お皿にのってやってきた。

「じゃあ龍一くんはこっちで一緒に食べようか」

「あーい!」

里佳さんが手招きすると、龍一くんがぱたぱたとやって来て、里佳さんの膝の上にちょこんと座った。

「はい、どーぞ」と言って里佳さんがおにぎりを手渡すと、嬉しそうに食べはじめた。

「仲良しなんですね」

「うん。生まれた時からしょっちゅう一緒に遊んでるから。親戚のおばちゃんみたいなの」

ふふっと笑う里佳さんに、「おねえさんですよ!」と私がつっこむ。

けれど里佳さんは「いいの」と言って、龍一くんの頭を撫でた。

「おねえさんより、おばちゃんの方がなんとなく甘えてくれそうでしょ。

それに龍一くんから見たら、私なんてもう立派なおばちゃんだよ」
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