Butterfly
「・・・そっか・・・」

「でも、うちの署長は本来そういう特別待遇とかがすごく嫌いな人なんだ。

本部長の指示で仕方なくやってるわけだけど・・・。

このまま咲良ちゃんが話さないなら、もう強制的に家宅捜索しようかなんて、物騒なことも言いだしてる」

「家宅捜索って・・・咲良の家を?」

「うん。まあ・・・署長も言ってるだけで、しないしできないとは思うけどね。

とにかく、咲良ちゃんが話してくれない限りは、ホテルでの監視生活になる」


(そんな・・・)


どうしたらいいんだろう。

それはほとんど軟禁生活。

いつまで続くかわからない、そんなひとりぼっちの生活を、咲良が送っているなんて。

警察は、咲良の話を早く聞きたい。

咲良だってきっと、早く家に帰りたいはず。


(どうしたら・・・)


家族でも警察でもない、私はただの友達だけど。

それでもできることならば、何か力になりたかった。

「・・・あの」

「ん?」

「私が、咲良と話すことってできる?」

「え・・・?」
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