Butterfly
5.前へ
蒼佑さんから連絡があったのは、それから二日後のことだった。
『二人きりには出来ないんだけど。咲良ちゃんも、千穂ちゃんに会いたそうにしてたから』
電話口で、蒼佑さんが言っていた。
やはり、友人で元容疑者である私と話をさせるのは、悪い影響が出ないものかと賛否両論あったそう。
けれど、このまま何もしないより会わせてみてもいいだろうと、最終的に市谷さんが面会の許可をしてくれた。
(蒼佑さん、きっとがんばって掛け合ってくれたんだよね・・・)
あとでもう一度、蒼佑さんにも市谷さんにも、ちゃんとお礼を言わなくちゃ。
咲良と会うのは、およそ十日ぶりになる。
自分から頼んだことだけど、間近に迫った対面に、今更ながらにドキドキとした。
(どうか、話してくれますように・・・)
心身ともに、疲れがたまりきっていると聞いている。
まずは、なんて声をかけよう。
咲良はどんな表情で、私と会ってくれるのだろうか。
今回のことで、私たちの間には薄暗い雲がかかってしまった気がするけれど、それを取り払うようにきちんと話ができるだろうか。
(でも・・・ちゃんと言わなくちゃ)
不安は拭えないけれど。
私は再び覚悟を決めて、咲良の待つ警察署の中へゆっくり足を踏み入れた。
『二人きりには出来ないんだけど。咲良ちゃんも、千穂ちゃんに会いたそうにしてたから』
電話口で、蒼佑さんが言っていた。
やはり、友人で元容疑者である私と話をさせるのは、悪い影響が出ないものかと賛否両論あったそう。
けれど、このまま何もしないより会わせてみてもいいだろうと、最終的に市谷さんが面会の許可をしてくれた。
(蒼佑さん、きっとがんばって掛け合ってくれたんだよね・・・)
あとでもう一度、蒼佑さんにも市谷さんにも、ちゃんとお礼を言わなくちゃ。
咲良と会うのは、およそ十日ぶりになる。
自分から頼んだことだけど、間近に迫った対面に、今更ながらにドキドキとした。
(どうか、話してくれますように・・・)
心身ともに、疲れがたまりきっていると聞いている。
まずは、なんて声をかけよう。
咲良はどんな表情で、私と会ってくれるのだろうか。
今回のことで、私たちの間には薄暗い雲がかかってしまった気がするけれど、それを取り払うようにきちんと話ができるだろうか。
(でも・・・ちゃんと言わなくちゃ)
不安は拭えないけれど。
私は再び覚悟を決めて、咲良の待つ警察署の中へゆっくり足を踏み入れた。