Butterfly
「そ、そっか・・・。千穂ちゃんでもそうなのか」
「うん。女同士でもそうだから。男の人がデレデレしちゃう気持ちは分かる」
「まあ、そうだね。あの子は誰が見ても『かわいい』って思うタイプだし。
オレも・・・その・・・確かにちょっとニヤけてたのかもしれないけど・・・」
誤魔化すように呟いた後、彼は自信満々な顔をして、「でも」と言葉を継ぎ足した。
「やっぱり、オレは千穂ちゃんが一番かわいいと思う」
「え!?」
(・・・いや、それは・・・)
「やめて・・・。咲良と比べられても、お世辞にしか聞こえないよ」
「あっ、いや!違うよ。比べたわけじゃなくて・・・。
とにかく、オレの中では誰よりも、千穂ちゃんがいちばんだってこと」
照れながら、でも、なんだかとても嬉しそうに、蒼佑さんはそう言った。
(恋は盲目・・・)
彼はきっと、その状態。
それは少し恥ずかしくて、だけどもやっぱり嬉しくて。
隠しきれないそんな思いで、私はこっそり笑顔になった。
私は、瀧石千穂(たきいしちほ)。21歳。
こげ茶色をした肩すれすれのセミロングヘアに、丸い目をした丸い童顔。
眠たそうな幅広二重を、大人っぽく見えるようにとアイラインでツリ目がちに仕上げているけど、ほぼ100%、未成年に間違えられる。
そんな私の肩書は、ここらへんではそれなりに名の知れた学校である、桜葉女子学院文学部に通う大学三年生。
父は一般企業のサラリーマン、母はパート主婦という、ごくごく普通の家庭に生まれて、ごくごく普通に育てられた、一応・・・ごくごく普通の女子大生だ。
「うん。女同士でもそうだから。男の人がデレデレしちゃう気持ちは分かる」
「まあ、そうだね。あの子は誰が見ても『かわいい』って思うタイプだし。
オレも・・・その・・・確かにちょっとニヤけてたのかもしれないけど・・・」
誤魔化すように呟いた後、彼は自信満々な顔をして、「でも」と言葉を継ぎ足した。
「やっぱり、オレは千穂ちゃんが一番かわいいと思う」
「え!?」
(・・・いや、それは・・・)
「やめて・・・。咲良と比べられても、お世辞にしか聞こえないよ」
「あっ、いや!違うよ。比べたわけじゃなくて・・・。
とにかく、オレの中では誰よりも、千穂ちゃんがいちばんだってこと」
照れながら、でも、なんだかとても嬉しそうに、蒼佑さんはそう言った。
(恋は盲目・・・)
彼はきっと、その状態。
それは少し恥ずかしくて、だけどもやっぱり嬉しくて。
隠しきれないそんな思いで、私はこっそり笑顔になった。
私は、瀧石千穂(たきいしちほ)。21歳。
こげ茶色をした肩すれすれのセミロングヘアに、丸い目をした丸い童顔。
眠たそうな幅広二重を、大人っぽく見えるようにとアイラインでツリ目がちに仕上げているけど、ほぼ100%、未成年に間違えられる。
そんな私の肩書は、ここらへんではそれなりに名の知れた学校である、桜葉女子学院文学部に通う大学三年生。
父は一般企業のサラリーマン、母はパート主婦という、ごくごく普通の家庭に生まれて、ごくごく普通に育てられた、一応・・・ごくごく普通の女子大生だ。