Butterfly
全てを告げたら、何かが変わる?

いい方に?それとも・・・悪い方に?

考えても、答えなんてわかるはずもなく、私は何も言えぬまま。

「オレは、千穂ちゃんのことが好きだよ」

言葉に詰まる私の代わりに、彼は気持ちを伝えてくれる。

泣き出しそうな私の髪を、蒼佑さんは何度も優しく撫でてくれた。

「今のことは、もう忘れて。・・・・・・今日は、楽しかった」

そう言って、彼が私にキスをする。

瞼を上げて見つめると、彼は優しく笑ってくれた。

「じゃあ・・・またね。おやすみ」

「・・・うん・・・。おやすみなさい」

切ない痛みが、胸にチクリと突き刺さる。

いつ抜けるかもわからない、鋭く刺さった見えない矢。

それは、とてもつらいけど。

私は少しの笑顔を作り、彼に別れの挨拶をした。






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