Butterfly
午前の授業終了後。

私と咲良は、校舎のいちばん端にある、学生食堂へとやって来た。

注文したのは、二人仲良く日替わりランチのハンバーグ定食。

今日は講義が少ないのか、いつもよりも空いている。

窓際の隅っこ席をゲットしたので、ゆっくり話ができそうだった。

「それで・・・相談ってなんだろう」

席に着き、ハンバーグを箸でひと口大に切りながら、私は早速問いかける。

すると咲良は「うん」と言って、持ち上げた箸をまた置いた。

「相談っていうか・・・お願いごとなんだけど。千穂ちゃんしか、頼める人がいなくって・・・」

「うん」

咲良がとてももじもじしている。

これから何を言うのだろうと、こちらもドキドキしてしまう。

「あの・・・。あのね、私の、彼に会ってほしいの」

「・・・えっ!?」


(彼って・・・初耳!)


「咲良、付き合ってる人いたの?」

「うん・・・。まだ、付き合って二週間くらいなんだけど」

咲良が、恥ずかしそうにぽっと頬を赤らめた。

私は驚きと嬉しさで、テンションがぐんと上がってしまった。


(そうだったんだ!)


大学に入って、咲良と出会って早3年。
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