Butterfly
「大学の中でも、特に仲がいいのかしら」

「はい・・・。仲良くしてもらってます」

咲良のことは、とても気になっていた。

少しでも、今の咲良を知りたくて。

けれど、同じく任意同行を受けている彼女の足を引っ張らないよう、慎重に問いに答えていった。

「・・・そっか。彼女もすごくキレイな子だよね。いかにもお嬢様っていう感じ」

「はい・・・」

「お金持ちなのよね?すごく。あれだけホストに貢ぐんだもの。相当なお金持ちでしょう」

試すように、津島さんがそう言った。

私はその策略にはまったのか、津島さんの顔を驚くように見つめてしまった。

「一緒に通ってたなら、知ってるでしょう?羽鳥さんの羽振りの良さ」

「え・・・?」

「貴見悠翔(たかみはると)のことよ。知ってるでしょう。

さっき聞き込みをして、いろいろわかったんだけどね。羽鳥さん、彼にずいぶん入れ込んでいたらしいじゃない」


(・・・入れ込んでいた・・・)


それはやはり、『彼氏』ではなく『客』として、ということだろうか。

不安に思っていたことだけど、胸の奥がズキンと痛んだ。
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