ただそばにいて欲しいだけ
次の日、長橋君はスーツ姿で現れた。

オッとビックリ!・・・そっか、そうだよね?

金曜日大阪からその格好で来たんだもんね?

と思わずマジマジと見てしまう。そっか、営業さんだもんね。
いつもこの格好なんだよね?

と、スーツ姿の長橋君が新鮮。・・・・って、髪の毛はお約束の
ぼさぼさだけどね・・・。




一緒にお昼を食べて・・・駅ビルのお土産さんなんかをのんびり
回って・・・最後に珈琲を飲んで、大阪行きの新幹線のホーム
まで見送りに行く



なんだかこのシチュエーションって遠距離恋愛してるカップル
みたいじゃないっ?

と・・・何だかヘンに意識しちゃうんですけど・・・。

長橋君は何とも思ってない・・・か・・・・?




これは、まずいな。こんなシチュエーション・・・・なんか意識
しまくり・・・。

これは・・・・・まずかったな。


どうすればいいのかな?新幹線が動き出すまで見送った方が
いいかな?

でもそれじゃ本当に好きな人を見送ってるみたいじゃない?

なんて・・・・意識してるのは私だけのようで・・・・・。


長橋君は何とも無さそうにいつも通り話ししてる



と、新幹線がいよいよ出発する時間になった。

「じゃ、佐藤さん。今回はありがとうございました。また近い
うち会いたいですね。」

と、サラッと言って、動き出す前にギリギリ乗り込んだ。
そのままドアのとこに立った状態で手を振ってる。

私もそのままのとこに立って手を振る。


ふ〜っ、行っちゃった・・・・・・。


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