櫻の王子と雪の騎士 Ⅲ
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『三日後、アントス王国に居る兄上とアイゼンたち特殊部隊が合流して凱旋帰国する。それに合わせて王都の街はお祭りをする予定だ。だからその日にデートをしよう』
シェイラにそう言われてからもう二日。
とうとう明日がデート当日になる。
そんなわけで、ルミアの頭の中は混乱状態に陥っていた。
しかし問題なのはどうして自分が混乱しているかが分からないこと。
何をそんなに慌てているのか、悩んでいるのかが全く分からない。
しいて言えば、“デート”という文言自体に困惑している自分がいる。
それが何故だか分からないから困っているのだ。
(どうしよう...!!こういう時何したら落ち着くのかな...大体、デートって何するの?何を着たらいいの?...誰かに相談したほうがいい?)
相談
何を?
いやいや、相談するにしても誰にしたら?
なんとなくだが、こういうことは男子に聞く事じゃないと思う。
となると相談するなら女子。
そう結論に至ったルミアは、決心したように力強い歩調で歩き出した。
向かった先は補佐官たち専用の小部屋。
そのうちの一つ、『A・F』とかかれたプレートのドアを思いっきり開ける。
そして、
「アネルマさん!!」
「っ!!?なっ...!!!急に何!?ってか勝手に開けるな!!こっちは着替えてるのよ!?」
ルミアは、羞恥で顔を真っ赤させたアネルマに向かって「助けてっ!!」と泣きついたのだった。