櫻の王子と雪の騎士 Ⅲ
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一方、隅で一か所に固まっていた生徒たちはルミアが最初に作っていた白鏡の結界によって守られていた。
結界の外は氷漬け。
そこから覗くのは、傷だらけになって戦うユウと自分達を守るために立ち向かって倒れたルミア。
「...どうしよう!!ユウ君も先生も、このままじゃ死んじゃうよ!!」
「でも俺達は傷を治すことしかできないじゃないか...!先生たちみたいに戦えない!」
「でもッこのままじゃ!!」
生徒達は震えながらも必死に考えた。
だが、どんなに考えても二人を救える力は自分たちにはないのだ。
そんな彼らの目の前で、ユウは吹っ飛び、壁にたたきつけられた。
「がはっ!!!...ッは、ゲホッ...ハア、ハア...」
「ユウ君!!!」
「ユウッ!」
彼の身体は血まみれで、フラフラで、とてもじゃないがもう戦える状態ではないことが一目で分かる。
息を荒くし尚も立ち上がろうとする息子にロランは、
「苦しいだろう、ユウ。元々お前の身体はボロボロだったんだ。そこにきて体内に溜め込んでいた魔力が一斉に外に出た。身体がもつわけない」
「はあ、はあ...ッくそ」
「よく抗ったよそんな身体で。だがお前もここまでだ。約束通り、俺の手で殺してやろう」
ルミアを攻撃した時の様にその手をかざし、ユウに向かって氷の礫を放つ。
「死ね」という、彼の声が部屋の中に無残に響いた。