隣の席は、ヤンキー君!
あたしは場所を忘れてぐずった。
そうでもしないと不安だったから。
突然抱いた抗体の無い感情が、今はすごく怖かった。
どうしたらいいかもわかんないし…。
でもいい加減周りの視線が痛くなってきたので、あたしは黙って結衣から離れた。
「……結衣、美咲…」
「ん?なぁに?愛ちゃん」
俯いたあたしを、結衣が首を傾げながら覗き込む。
その目はすごく優しくて、頼りたくなる。
…話してもいいよね。
「…ちょっと、ちょっとだけ聞いてくれる?」
「いいけど、場所変えようか」
はぁと美咲が溜め息をしたのがわかった。
ガシ。
突然、両サイドから腕を組まれた。
「へ?」
「今日はもう授業もないし」
「帰るぞ」
…息ピッタリ。
あたしはイマイチ状況判断が出来ないまま、二人にズルズル引きずられていった。