隣の席は、ヤンキー君!


「!!」

吃驚しすぎて危うくオレンジジュースが出るところだった。


「…」


黙ってうつ向くあたし。

ど、どうって…。


それはもちろん



「…甘酸っぱい、味」


甘いだけじゃない。


フワフワしてて甘いけど、それだけじゃない。

不安で、先が見えなくて、先を知るのがちょっと怖い。

それでも知りたくて、でも怖くて…。


オレンジジュースみたい。


あたしの初恋は酸っぱくて、ちょっと甘い。


顔をあげた。


「応援、してるからね」

「頑張ってね!」


目に入るのは二人の笑顔。


「――ありがとう」


あたしは二人に、ニコッて笑い返した。


< 22 / 127 >

この作品をシェア

pagetop