15才の夏
第2章
新幹線で3時間
そこからバスで1時間半
着いたところはドラマに出てきそうなド田舎で
こんな所で夏休みを過ごすと思うと目眩がしてきた。
ケータイを開いてみるとそこには
圏外
の2文字が左上にのっていた。
「有り得ない...嘘でしょ。」
「橘瑠奈様ですか?」
え...?
自分の名前を呼ばれ、振り返るとそこには40代ぐらいのスーツを着た男の人があたしでも分かるぐらいの高級車の前に立っていた。
「えっと...どちら様で...」
「千恵子様から伺っております。どうぞこちらへ」
そう言って男の人はあたしの荷物を持ち上げ、高級車のトランクを開け、詰め込んでった。
「千恵子様って...確かおばあちゃんの名前...」
「どうぞ」
助手席のドアを開けてくれた男の人は、優しく微笑んでくれた。