ガラスのハート
「わかった…。じゃあ、いつもの六本木のホテルで落ち会おう」
「奥さまは・・」
「それは急な出張と言えば大丈夫だ。それよりも、僕たちは いまは一大事なんだ。
八時頃には着くようにするから、君はさきに部屋をとっておいてくれ」
「部屋の番号は、携帯にメールを入れておくわ…」
「君が落ち着く好きな部屋を取れば良い。お金は僕が出してあげるからね。
それまでなるべく誰とも会うんじゃないよ」
いまの麻里子は、ほかの誰かと会わすのは危険だと思ったのだ。