ガラスのハート

「きゃあ!」

 麻里子は両手を顔に当てて短く叫んだ。

 赤いヘッドライトは、うつぶせに横たわる男性を照らしていた。

 赤いライトゆえに、若干は変色して見えているとしても

 黒髪に白い服、黒いズボンを履いて、スニーカーらしき靴だということは把握できる。

 そして、真一の車がたった今
 通過した場所だということも。
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