ガラスのハート

「…真一さん!なにをするの!」

 真一は、全裸のままドアまで走ろうとする麻里子の右腕を掴んだ。

「何を言ってるんだ君は。まだ捕まると決まったわけないじゃないか!」

 真一はテレビを点けた。バラエティー番組だったので、ほかのチャンネルを回した。

 リモコンのボタンを片っぱしら順番に押してゆくが、ニュース番組は、どこもやっていなかった。

「ほら、見てごらん。僕たちが捕まる可能性は限りなくゼロに近いんだ」
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