ガラスのハート
最終話 ガラスのハート
「でも、世間の目は、警察に引きづり出されて捕まった犯人よりも、自主をしてきた犯人のほうが、まだ好感をもてるものよ。
私たちだって、テレビを観ていて、そう感じるときがあるじゃない?」
麻里子は冷静な面持ちになるよう心がけ、静かに言った。
すると真一は両手を広げ、怒鳴った。
「目撃者は、いなかったんだ。
僕たちが黙っていれば済むことなのに、なぜ君はわざわざ事を荒立てるんだ!」