ガラスのハート

「私は同乗者だから、それ以上の余計な疑いをかけられる前に行くわ。下着を返してくれないなら、ノーブラで行くわ」

 麻里子は服を拾うため、ベッドのところへ戻ろうとした。

 とっさに真一は、麻里子とベッドの間に入り込み、両手を広げ

「こっちに来るんだ、麻里子」

 通せんぼのような体勢をとる。

 そのとき、テレビでニュース番組が流れ出し、とあるニュースが報じられていたが、

 ふたりとも耳に入っていなかった。

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