ガラスのハート

 麻里子は恐怖に支配された。真一の目は紅く充血し、正気を失っているように見えた…。

 ふと真一の耳に、今まで無意識に神経を遮断していた、女性アナウンサーの声が聞こえた。

「では次のニュースです。

 今朝、区の町で男性の遺体が発見され、ひき逃げがあったとみられる事件で、犯人が逮捕されました」

 真一はテレビを振り向いた。
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