ガラスのハート

 それは真一の、ガラスで出来たような硬い心が、なにかで砕(くだ)かれた瞬間だった。

 一度 入った小さなヒビは、連鎖のように、硬いはずの心全体に広がって、大きくなってゆく。

 真一の心は、こうして粉々に砕け散った。

 真一は、ひとり部屋の中で、笑い続けていた。
< 83 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop