食べちゃうよ。
あたしは諒君を見て、固まっていた。
……というより、見惚れていた。
居酒屋のフツーの制服も、諒君が着るとなんだかかっこいい。
諒君はあたしに気付き、
「あ、ちーちゃん!」
いつもの調子で呼びかける。
それでも、なんだかドキドキして。
ビクッと飛び上がった。
「知り合い?」
「はい、俺の……」
諒君が口を開きかけた時、
「あー、川島と八代君は同じ大学なんだよな」
上野さんが口を挟む。
だから諒君ははいと言うだけで終わってしまって……
肝心な、付き合っているという事実を言うタイミングを逃してしまったようだ。